診療内容
脳神経外科では外科治療の適応となり得る神経疾患の診療を行っており、脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)・未破裂脳動脈瘤・頚動脈狭窄症などの脳血管障害、頭部外傷、脳腫瘍、水頭症、てんかんなどを主な対象としています。外科治療に限らず、内科的アプローチやリハビリテーションまで、多くの患者さんに適切な医療が提供できるよう努めています。また、脳血管内治療・神経内視鏡手術などの低侵襲手術や、痙縮や難治性疼痛に対するニューロモデュレーション治療(バクロフェン髄腔内投与療法や脊髄刺激療法)にも対応しています。
当科で積極的に取り組んでいる分野の一部を紹介します。
ハキム病(特発性正常圧水頭症)
歩行障害・認知症・尿失禁を3徴とする病気であり、「治療により改善する認知症」として知られています。頭部画像で水頭症が疑われて、脳神経内科など他科からご紹介いただく場合も少なくありません。脳脊髄液排除試験(タップテスト)を行い、症状の改善が認められたら手術を検討します。
手術はVPシャント(脳室腹腔短絡術)、VAシャント(脳室心房短絡術)、LPシャント(腰椎腹腔短絡術)があり、いずれも対応可能ですが、当施設では頭部の手術操作を必要としないLPシャントを多く実施しています。
痙縮(けいしゅく)
痙縮とは脳や脊髄の病気によって筋肉が過度に緊張した状態であり、手足のこわばりや痛みをともない、本人のみならず介護者の負担を大きくします。
リハビリテーションや内服治療で痙縮の改善が難しい患者さんに、ボツリヌス療法やバクロフェン髄腔内投与療法(ITB療法)を実施しています。
頭痛
脳血管障害や脳腫瘍などの二次性頭痛だけではなく、片頭痛や緊張型頭痛などの一次性頭痛に対しても、国際頭痛分類やガイドラインに基づいた適切な診断・治療が提供できるよう努めています。また、脳脊髄液漏出症に対するブラッドパッチ療法(硬膜外自家血注入療法)まで、さまざまな頭痛に幅広く対応しています。
片頭痛は20~50歳代の働き盛り・子育て世代に多く、日常生活において大きな負担となる病気です。近年は片頭痛の病態に基づいた新薬が次々に登場しています。
診療体制
常勤医1名体制ですが、脳神経外科領域における身近な相談窓口として、地域医療に貢献したいと考えています。高度な外科治療や集中治療を必要とする病態に関しては、他の医療機関と連携して対応しています。
令和7年度診療実績 主な手術件数
| 慢性硬膜下血腫洗浄・除去術(穿頭) | 9人 |
|---|---|
| 重症痙性麻痺治療薬髄腔内持続注入用植込型ポンプ薬剤再充填 | 8人 |
| 定位脳腫瘍生検術 | 4人 |
| 水頭症手術(シャント手術) | 4人 |
| 経皮的頸動脈ステント留置術 | 3人 |
| 内視鏡下脳内血腫除去術 | 1人 |
| 脊髄ドレナージ術 | 1人 |
| 重症痙性麻痺治療薬髄腔内持続注入用植込型ポンプ交換術 | 1人 |
