診療内容
整形外科は、外傷、四肢や脊椎の疾患、骨軟部に発生する腫瘍の外科的治療を中心に行う診療科です。
当センターの整形外科では、主に骨折などの外傷の手術治療、手のしびれの原因となる手根管症候群や肘部管症候群などの上肢の末梢神経に対する手術、骨軟部腫瘍の外科的治療を中心に、骨粗鬆症の治療や肩関節疾患のリハビリテーションなどの分野にも力を入れて診療にあたっています。
脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアなどの脊椎疾患、股関節や膝関節の変形性関節症については、信州大学から非常勤医師の派遣を受けて外来診療を行っており、手術が必要な患者さんは信州大学をはじめとする近隣の医療機関の専門医と連携して治療にあたっています。
まつもと医療センター整形外科で扱う主な疾患
(1)大腿骨近位部骨折(大腿骨頚部骨折、転子部骨折)
- 骨粗鬆症で骨が弱くなり、歩行が不安定になってきた高齢者で非常に多い骨折です。骨粗鬆症は女性に多いため、大腿骨近位部骨折も高齢女性に多発します。
- 手術を行わないともう一度歩けるようになることが難しいため、ほとんどの場合は手術が必要になります。日本のガイドラインでは、合併症予防や早期リハビリによる機能回復の観点から、受傷後早期に手術を行うことが望ましいとされており、当センターでも受傷後なるべく早期に手術ができるよう、手術室・麻酔科などと協力して治療に当たっています。
- 手術後は手術翌日から歩行練習を中心としたリハビリを行っています。リハビリに長い時間が必要となったり、退院後に介護が必要となる場合もあり、リハビリや退院の準備など多職種で関わりながら、より良い状態で退院できるようにしています。
(2)骨粗鬆症
- 骨量(骨密度)が減ったり、骨質が低下したりすることで骨折しやすくなる疾患です。骨は20歳頃に人生最大の骨量に達し、40歳半ばごろまでは骨量が保たれますが、加齢や女性ホルモンの減少、カルシウム不足などで骨代謝がアンバランスになり、骨量が減少して骨粗鬆症となります。
- 骨粗鬆症に伴い、大腿骨近位部骨折、腰椎圧迫骨折、橈骨遠位端骨折、上腕骨近位端骨折などが生じやすくなり、複数回の骨折により、身体機能の低下をきたし、寝たきりになってしまう危険性があります。
- 骨折による身体機能を防ぐため、骨粗鬆症の予防、治療を行っていくことが重要です。早期に骨粗鬆症を発見し治療を行っていくため、自治体が行っている骨粗鬆症検診や人間ドックでの骨密度検査が重要です。
(3)手根管症候群
- 母指から環指にかけてのしびれや痛みの症状がでる疾患で、有病率は3~5%程度とされ、手のしびれの原因として非常に多い疾患です。男女比は男性1に対して、女性は3~6程度。加齢や女性ホルモンの減少に伴って発症が増え、人工透析や手を頻繁に使用する仕事も発症の原因になります。
- 治療は、保存的治療としては手の安静やビタミンB12製剤の内服、ブロック注射があり、保存的治療で症状の改善がみられない場合には手術を行います。
診療体制
常勤の整形外科医4名により、外来、手術、救急対応を分担して診療を行っています。さらに、外来診療については信州大学整形外科からの週3回医師の派遣を受けています。
その他
当センターでは、公益社団法人日本整形外科学会が運営する運動器疾患に対する手術治療を登録する全国規模のレジストリーシステム(JOANR)に協力しています。
JOANRに関する詳細は研究計画書(整形外科で手術を受けられる患者様へ)または、JOANRホームページに詳細が掲載されていますのでご確認ください。
関連リンク
令和7年度診療実績 主な手術件数
| 骨折観血的手術 | 140人 |
|---|---|
| 腱鞘切開術(関節鏡下によるものを含む) | 47人 |
| 人工骨頭挿入術(股) | 30人 |
| 手根管開放手術 | 25人 |
| 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術 | 17人 |
| アキレス腱断裂手術 | 7人 |
| 関節内骨折観血的手術(手) | 6人 |
| 骨移植術(軟骨移植術を含む、自家骨移植) | 1人 |
スタッフ
整形外科部長/副包括医療支援センター長
植村 一貴 (うえむら かずたか)
平成17年卒
■専門領域など
整形外科一般/上肢の外科
整形外科医長
鈴木 周一郎 (すずき しゅういちろう)
平成18年卒
整形外科医師
岩川 紘子 (いわかわ ひろこ)
平成21年卒
整形外科医師
新津 文和 (にいつ ふみかず)
平成28年卒
