はじめに
皆さんは、「放射線」と聞くと、どのようなイメージを持たれますか?多分ほとんどの方が 「怖い」・「危ない」・「身体に悪い」など、悪いイメージを持たれると思います。なぜそのようなイメージを持たれるのか・・・
その理由として放射線は 「目に見えないから」・「どのくらいの量なのか わからない」・「被ばくするから」などが挙げられると思います。
しかし現在の医療において、その放射線は診断や治療を行うにあたって、とても重要な役割を担い、必要不可欠な存在と言っても過言ではありません。
私たち放射線科では、その放射線を正しく適切に用いて、安全を心がけ、患者さんに安心して検査・治療を受けて頂けるよう、日々努めております。
放射線について
1.日常生活と放射線
私たちの身の回りには、放射線が日常的に存在していることは、知らない方もいらっしゃると思います。日常生活の中で宇宙や大地、また食物などの自然界から、絶えず放射線を受けながら生活をしており、目には見えませんが、とても身近な存在なのです。
2.被ばくについて
私たちが日常生活で受ける放射線には、前述した「自然放射線」と、病院の放射線検査などの「人工放射線」があります。これらの放射線を身体に受けることを「被ばく」と言います。
被ばくには、身体の外側から放射線を受ける「外部被ばく」と、食べ物などを摂取することにより身体の内側から放射線を受ける「内部被ばく」があります。
3.被ばくの線量について
私たちが日常生活で受けている「自然放射線」の被ばく線量と「人工放射線(放射線検査)」による被ばく線量は、以下の図のようになっております。
放射線検査について、受ける検査・内容によって異なり、数値はおよその被ばく線量になります。
また、MRI検査は放射線を使用せず、磁石の力を利用して画像かするので、被ばくはありません。

4.医療被ばくの正当化と最適化
放射線検査による被ばくが、身体に悪影響を及ぼすのではないかと不安になる方もいらっしゃると思います。しかし、医療被ばくによる発がんリスクの増加は、100mSv以下の被ばくでは実証されていません。
前項「被ばくの線量について」の図からも分かるように、私たちが受ける医療被ばくの線量は、発がんリスクに影響を与えるほどではありません。そこで、医療被ばくにおいて「正当化」と「最適化」という考え方が重要であり、それを基に放射線科では検査を行っております。
- 正当化とは・・・
- 放射線検査において、放射線によるリスクよりも、検査を受けて得られるメリットの方が上回ることで、その検査が正当化させる という考え方です。
- 最適化とは・・・
- 放射線検査で得られる画像が、診断可能な画質を保てる範囲の中で、出来る限り少ない放射線量を使用する という考え方です。
スタッフ紹介
放射線診断医師
| 氏名 | 資格・学会 | 専門領域 |
|---|---|---|
| 百瀬 充浩 (ももせ みつひろ) 放射線科部長 | 放射線診断専門医/核医学専門医/PET核医学認定医/日本医学放射線学会【研修指導者】/第1種放射線取扱主任者 日本医学放射線学会/日本核医学会 | 放射線診断学 核医学 IVR(血管塞栓術など) |
| 三井 高之 (みつい たかゆき) 放射線科医師 | 放射線診断専門医/核医学専門医/日本医学放射線学会【研修指導者】 日本医学放射線学会/日本核医学会 | 画像診断全般 (CT、MRI、核医学など) 血管造影(塞栓術 など) |
| 神谷 仁美 (かみや ひとみ) 放射線科医師 |
放射線治療医師
| 氏名 | 資格・学会 |
|---|---|
| 小岩井 慶一郎 (こいわい けいいちろう) 非常勤医師 | 放射線治療専門医/がん治療認定医/第1種放射線取扱主任者 日本医学放射線学会/日本放射線腫瘍学会/日本緩和医療学会 |
診療放射線技師12名
資格・認定:X線CT認定技師/肺がんCT検診認定技師/検診マンモグラフィ管理認定診療放射線技師/第1種放射線取扱主任者/放射線治療専門放射線技師/放射線治療品質管理士/塩化ラジウム(223Ra)注射液を用いたRI内用療法における適正使用に関する安全取扱講習会/令和3年厚生労働省告示第273号研修 など
令和7年度実績 放射線治療照射部位別件数
| CT撮影 | 12,613件 |
|---|---|
| MRI撮影 | 3,394件 |
| 放射線治療 | 1,862件 |
| 血管撮影 | 129件 |
| RI撮影 | 486件 |
各種検査
1.一般撮影
一般撮影とは、X線を用いた写真撮影のことで、健康診断にて検査する胸部(肺)の写真や骨折時に撮影する骨の写真など、いわゆる「レントゲン写真」(レントゲン=X線を発見した博士の名前)のことです。
X線は骨・筋肉・脂肪・空気といった人体を構成する様々な組織を透過します。その透過する割合は、組織によって異なり、例えば骨は透過しにくく、肺=空気は透過しやすいので、その透過の差によって描出されたものを写真として画像化しています。
胸部撮影では主に肺を、腹部撮影では腹部臓器などの診断、骨の撮影では関節の状態・骨折などの診断に用いられます。


2.マンモグラフィ

マンモグラフィ(乳房撮影)は、乳房専用のX線装置で、より見やすくするために乳房を挟んで圧迫し、厚みを薄くして撮影を行います。
しこりとして手に触れない小さな腫瘤や乳腺の乱れ、微小な石灰化などを明瞭に写し出し、早期の乳がんの発見に役立ちます。
2026年2月マンモグラフィを更新しました(FUJIFILM 「AMULET ELITE」)。
3.CT検査

CT(Computed Tomography)検査は、X線を身体の周りを360度回転させながら連続で照射し、透過してきたX線の強弱を検出器で収集することで、身体の断面を撮影する検査です。
体内の様々な病巣発見に役立ちますが、特に心臓・大動脈・気管支・肺などの胸部、肝臓・腎臓などの腹部の病変に関して、優れた描出能が知られており、検査の目的によっては、ヨード造影剤という薬を使用して撮影を行います。
4.MRI検査
MRI(Magnetic Resonance Imaging)検査は、強力な磁場を発生する筒の中に入り、磁石の力を利用して、身体の臓器や血管などを画像化する検査です。
2025年6月にSIEMENS社製の最新機種「MAGNETOM Altea(1.5T)」を導入し、AIを用いた画像計算が実装されており、これまでよりも短時間で高い画質の画像を得ることが出来ます。





MRI検査を受けられる方へ
次の項目に該当する方は検査を受けられない可能性がありますので、検査日の前までにお申し出ください。
- 心臓ペースメーカーがある。(MR対応製品の場合も、設定変更などの準備が必要ですので主治医にご相談ください)
- 脳室シャントがある。(製品によってはMRI検査後に設定調整が必要な場合がありますので主治医にご相談ください)
- 材質不明の体内金属(主に仕事による怪我での体内金属)がある。(多くは問題ありませんが、目などに近い場合は検査が出来ないことがあります)
5.核医学検査

核医学検査はRI(Radio Isotope)検査、シンチグラフィ とも呼ばれ、ごく微量の放射性医薬品を注射して検査を行います。
その薬は特定の臓器、骨や腫瘍などに集まり、その集まった所からガンマ線という放射線が放出されるので、ガンマカメラにて検出し、画像化します。
核医学検査は病気の有無や組織・臓器の血流や代謝など、機能を画像化する検査です。
6.血管撮影

血管撮影では、カテーテルと呼ばれる細い管を冠動脈や脳、腹部臓器の血管内に挿入し、カテーテルの先端から造影剤を血管内に注入して、目的部位の血管を描出し、検査・治療を行います。外科的な手術と比較すると侵襲性が少ないため、これらの検査・治療を受けられる患者さんの身体に負担が少ないという特徴があります。
7.X線透視検査

X線透視検査は、X線を連続で使用し、リアルタイムの動画として体内を観察しながら行う検査です。
ERCP(内視鏡的逆行性胆管造影)、胃バリウム造影検査、尿管ステント挿入、骨折や脱臼の整復など、様々な検査があります。
8.骨密度検査

骨密度検査は骨塩定量検査とも言われ、骨を構成するミネラル成分(カルシウムやリンなど)のことを骨塩と言います。
この骨塩が骨にどれくらい詰まっているか定量し、骨の単位面積[cm2]あたりの骨塩量[g]を算出したものが骨密度です。
DXA(Dual Energy X-ray Absorptiometry)法にて、X線を使用し腰椎や大腿骨頸部等を撮影して骨密度を測定しています。
放射線治療

放射線治療は、手術・化学療法と並ぶ、がんの3大治療のひとつです。
正常組織への副作用を最小限にとどめながら、効率的に癌細胞を攻撃していく低侵襲な治療法です。
放射線治療を安全・安心に精度良く行うために、スタッフ一同心掛けております。
地域医療連携
当院では、より質の高い医療を効率的に提供するために、近郊の医療機関に対し、CT、MRI、RI、骨密度検査などの医療機器の共同利用を行っております。
詳しくは、包括医療支援センターへお問い合わせください。
