診療内容
当センターの腎臓内科では、腎臓全般に関する病気の診療に当たっています。腎臓腫瘍、前立腺・膀胱疾患は泌尿器科の担当になりますが、お互い関連は深く、連携しながら腎臓病・腎不全の診断、治療を行っています。
(1)腎臓の役割
腎臓は、腰のあたりにある、そら豆のような形をした握り拳ぐらいの大きさの左右一対の臓器です。小さな臓器ですが、様々な役割を持っています。
腎臓の役割で最も重要なものは尿を生成し、体内の毒素、余分な水分を排泄して中性に保ち、体の正常な環境を整え、体液バランスを保つことです。
その他の役割として、血圧を調整するレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系のホルモンの分泌、貧血を改善するエリスロポエチン分泌、ビタミンD活性化、カルシウムの吸収、骨代謝にも関わっており、小さいながらも非常に重要な役割を担っています。
(2)腎臓の病気
腎機能が悪くなると、尿の排泄が低下し、体液バランスが崩れてしまいます。むくみが見られるようになり、さらに体液貯留が進み、心臓や肺に負担がかかるようになると、呼吸困難なども生じてきます。毒素の貯留が起きて体が酸性に傾くと、食欲不振や倦怠感、下痢、嘔気などの尿毒症を起こします。ホルモンバランスが崩れると、高血圧や貧血の進行、骨粗鬆症も進行し、更なる悪循環を来してしまいます。腎臓病は沈黙の臓器とも言われ、病状が進行しないと自覚症状を表さないことが多く、できるだけ早期の発見が重要といわれています。
腎臓そのものに病気が起こることもありますが、全身の病気(高血圧・糖尿病などの生活習慣病、血液疾患、消化器疾患、リウマチ膠原病・自己免疫疾患など)から影響を受けて腎機能が悪化することもあり、健診やかかりつけの先生の受診で検尿異常や腎機能障害を指摘された場合は、早期に評価して、原因をはっきりさせた上で治療を行っていくことが重要になります。
(3)診断と治療
採血や画像検査を行い評価し、病状の正確な評価が必要と判断した場合、入院の上、エコーガイド下経皮的腎生検で腎組織の一部を採取し、それを顕微鏡で病理学的に評価し、診断を行い、治療につなげていきます。
治療によっても改善が見られず、腎臓病が進行した場合には、腎代替療法の検討が必要です。腎代替療法には血液透析、腹膜透析、腎移植があります。腎機能の推移、その他の合併症を評価しながら、適切な時期に療法選択を行っていきます。ご希望の腎代替療法に合わせてバスキュラー・アクセス手術や導入時期をご提案しお手伝いします。
当院では血液透析は対応可能ですが、腹膜透析、腎移植をご希望の場合は信州大学医学部附属病院腎臓内科で総合的な対応をお願いしていますので、適切な時期にご紹介し、受診して頂き連携しながら対応を行っていきます。
(4)現状と今後の展望
日本腎臓学会研修施設、日本透析医学会教育関連施設(信州大学医学部附属病院が教育施設)に認定されております。信州大学医学部附属病院腎臓内科と連携、人事交流も行いつつ診療にあたっています。南松本・塩尻地域の腎臓病の診療に邁進するとともに、若手の腎臓内科医の研修施設として、また将来的には、信大病院に次ぐ中信地区の腎臓病の基幹病院となれるよう努力したいと思っています。
診療体制
常勤医師2名、非常勤医師1名体制で診療を行っています。
外来診療は月曜午前、火曜午前、水曜日午前、午後、木曜日午前、金曜午前で対応を行っています。緊急のご紹介はこの限りではありません。
令和7年度診療実績 入院患者数
| 慢性腎臓病 | 35人 |
|---|---|
| ネフローゼ症候群 | 10人 |
| 腎盂腎炎 | 10人 |
| 急性腎不全 | 6人 |
| 体液量減少症 | 3人 |
| 電解質及び酸塩基平衡障害 | 3人 |
| 糸球体障害 | 1人 |
| 人工透析延べ件数 | 2,885件 |
