LOADING
独立行政法人国立病院機構 まつもと医療センター

最近忘れっぽくないですか?

私たち日本人の平均寿命は年々伸びており、2016年度の統計では、女性の平均寿命は87歳、男性は80歳になりました。社会の高齢化とともに認知症も年々増加しており、現在、65歳以上のお年寄りの7人に1人の方に認知症の症状があり、2025年には、認知症の高齢者は日本全国で700万人を前後と予測されています。一方で若年性の認知症も増えていて、社会的な問題となっています。

認知症とは

認知症とは 、ひとつの病気をさす言葉ではありません。脳や身体の疾患が原因となって、記憶・判断力などの障害がおこり、普通の社会生活を送ることが困難となる「状態」をさす言葉です。

認知症の原因の多くは「アルツハイマー型認知症」と「脳血管性認知症」です。両方が合併している場合もあります。原因となる病気を適切に治療することで、症状が軽くなったり進行が止まるケースもあり、それらは認知症全体の約1割を占めているといわれています。さらに近年、アルツハイマー型認知症を中心に次々と新しい治療薬が開発されて、日本国内の各施設で盛んに治験(以下でご説明します)も行われるようになりました。認知症の治療に際しては、早期診断、早期からの進行の予防と治療がきわめて重要です。

認知症の初期症状で最も多いのはもの忘れです。しかし、それ以外の症状ではじまることもあります。もの忘れ外来の受診が勧められる認知症の初期症状には、以下のものがあります。

認知症の初期症状

記憶障害

  • 同じことを何度も言ったり、聞いたりする
  • 昔のことはよく覚えているのに、新しいことが覚えられない
  • 置き忘れやしまい忘れが目立つ
  • 水道の蛇口やガス栓の締め忘れが目立つ

見当識の障害

  • 時間、日付や場所の感覚が不確かになった
  • 慣れているはずの道に迷う

意欲・思考・判断力の低下

  • 自宅に引きこもりがちになった
  • 以前はあった関心や興味が失われた

遂行機能の障害

  • 計画が立てられなくなった
  • 家事ができなくなった

異常な言動や性格の変化

  • 財布や物を盗まれたと言う
  • 怒りっぽくなった

認知症は、本人にはその自覚がなく、ご家族が本人の変調に気がついている場合が多いので、受診の際は、ご本人の生活状況がわかるご家族の方に付き添っていただくようお願いします。

「もの忘れ外来」で行うこと

  • 認知症かどうか、を診断する
  • 認知症の原因を確定する
  • その人にあった治療や対応を検討する

現在のところ、認知症のお薬は限られています。しかし新しい認知症の薬の効果や副作用の有無を確認する「治験」が開始されており、当院でもアルツハイマー型認知症を対象として複数の治験が進行中です。

「もの忘れ」が気になる方、またそのご家族は、気軽にご相談ください。

「もの忘れ外来」のスケジュール

1回目 木曜日 医療面接、診察、採血などを行います。
2回目 木曜日 画像検査(頭部MRI・脳血流シンチグラム)、神経心理検査を行います。
3回目 木曜日 採血結果、画像の結果、神経心理の結果をご説明します。

合計3回程度受診していただき、「もの忘れ」の程度と認知症の有無、原因について検討していきます。それぞれの方の状況にあった治療を選択していきます。また、かかりつけの医師からご紹介いただいた場合は、かかりつけの先生への情報提供を行います。

予約・お問い合わせ先

  • 神経内科外来 「もの忘れ外来」
  • 水曜 午後1:30~3:30
  • TEL 0263-58-4567

(お問い合わせ、ご予約のお電話は平日午後1時~4時にお願いします)