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独立行政法人国立病院機構 まつもと医療センター

薬剤部には薬剤師16名(治験主任1名、非常勤1名を含む)、非常勤業務技術員2名の合計18名が勤務しております。主な業務は調剤業務、注射調剤業務、薬剤管理指導、病棟薬剤業務、製剤業務、医薬品情報管理業務、および医薬品管理業務です。

調剤業務

令和5年7月より新しい電子カルテシステムが稼働しております。薬袋印字機、自動錠剤分包器や調剤/散剤/水剤の各種監査システム等とも連動しており、より安全でスピーディーな調剤を行っております。当院では外来は原則院外処方箋となっているため、主に入院されている患者さんの調剤を行っております。また、患者さんが持参されたお薬について、入院前の外来受診時にお薬の刻印や印字、持参していただいたお薬手帳、お薬情報提供書などから鑑別を行っております。手術前に中止する必要のあるお薬の確認をすることで、安全に手術を行うことに貢献しております。また、院内に無い薬を服用されている場合は、院内にある薬による代替案の提案を含めた処方支援をさせていただいております。

実績

  令和2年度 令和3年度 令和4年度 令和5年度 令和6年度
入院処方せん枚数 59431 61654 60656 58978 61029
外来処方せん枚数(院内+院外) 58629 60446 64712 62752 60988
入院注射処方せん枚数 102173 108699 109929 95008 80917
外来注射処方せん枚数 18508 20146 17577 17794 16512
薬剤管理指導料算定件数
(加算1と2の合計)
4529 4631 4537 4399 3364
無菌製剤処理料算定件数
(加算1と2の合計)
6450 6743 6819 6233 6954
外来化学療法算定件数
外来化学療法加算1A(~R3年度)
外来腫瘍化学療法診療料1(R4年度~)
外来腫瘍化学療法診療料1イとロ(R6.6~)
1671 1736 2021 1590 1704

注射調剤業務

患者さんごと注射薬を取り揃え、1回に使用される注射薬ごとにラベルを添付してセットを行い、病棟に払い出しております。看護師の業務負担軽減につながり、患者さんへより良い医療を提供するために貢献しております。抗がん剤調製は事前にレジメン登録された注射箋に基づき、安全キャビネットならびに注射薬混注監査システムAddDis®を用いて混合調製を行っております。血液疾患における移植患者さんに対する経静脈的免疫抑制剤の調製も行っており、クリーンベンチを用いて衛生的に調製しております。

薬剤管理指導、病棟薬剤業務

当院薬剤部では、積極的に病棟にて活動をしています。
入院患者さんには、薬剤師が病室にてお薬の効能説明と服用の仕方、使用方法、注意点の説明や副作用が発現していないかどうか調べ、患者さんからの質問、要望にお答えします。例えば、喘息患者さんを対象に吸入薬の機器の取り扱いや吸入法の指導、糖尿病患者さんを対象にインスリンの自己注射の方法の説明や、内服薬の指導を行っています。
患者さんが持参した薬剤について確認の上、医師にフィードバックして、安全かつ適正な治療の継続に貢献しています。

製剤業務

一般に市販されていない薬を院内で製造(院内製剤)し、治療に役立てております。
院内製剤の一例

柿蔕(してい)エキス(かきのへたエキス)・・・
吃逆(しゃっくり)の治療
バルプロ酸ナトリウム坐剤・・・
飲み薬が飲めない方のための、主にてんかんで用いる薬
眼科用キシロカイン液4%・・・
眼科手術時の点眼麻酔薬
セレン内用液・・・
微量元素・セレンの欠乏症の治療薬

医薬品情報管理業務

医薬品を安全かつ適正に使用するために、国内外の医薬品に関する情報をタイムリーに収集し、利用しやすく加工して、医師・看護師等医療従事者または患者さんに迅速に伝達しております。月に1回、医療従事者に向け、医薬品情報や医薬品安全性情報の提供を行っております。

医薬品管理業務

医薬品を適正に安定供給するため、在庫管理システムを利用して発注業務を行っております。また、病棟定数配置薬などの院内の薬品管理、使用期限のチェックなどを行っています。

フォーミュラリについて

フォーミュラリは、患者に良質な薬ぶち療法を提供することを目的として、最新の科学的なエビデンスに基づき、医学的・薬学的な観点から最適であると判断された医薬品が収載された医薬品の使用指針です。国立病院機構では令和7年7月現在で11薬効群においてフォーミュラリ(NHOフォーミュラリ)が作成されています。運用については各病院に任せられていますが、当院ではその11薬効群について院内フォーミュラリとして運用しています。
フォーミュラリでは、疾患領域等に応じて使用される医薬品を示すことになりますが、これにより医薬品の使用(処方)が制限されるものではなく、医学・薬学的な理由により必要と判断される場合には、それ以外の医薬品を使用することは可能です。
患者に薬物療法を提供する際には、各疾患領域において学会等が策定する診療ガイドラインを参照しつつ、フォーミュラリも適宜活用することで、それぞれの患者に最適な薬物療法を提供することが可能となります。

その他

学生実習に対しては実務実習指導薬剤師もおり、薬学実習生を受け入れています(令和6年度実績;1名)。当院で実務実習を行った学生の感想を本人許諾のもとで掲示しています。

院外処方箋の発行について

当院では、厚生労働省の医薬分業の方針に従い、原則として『院外処方箋』に移行しております。患者さんとそのご家族におかれましては、下記のポスターをお読みいただきますようお願いいたします。