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独立行政法人国立病院機構 まつもと医療センター

調剤業務

平成28年2月から新しい電子カルテシステムが稼働しております。薬袋印字機、自動錠剤分包器や散剤監査システム等とも連動しており、より安全でスピーディーな調剤を行っております。当院では外来は原則院外処方箋となっているため、主に入院されている患者さんの調剤を行っております。また、患者さんが持参されたお薬について、入院前の外来受診時にお薬の刻印や番号・持参していただいたお薬手帳・お薬情報提供書などから鑑別を行っております。手術前に中止する必要のあるお薬の確認をすることで、安全に手術を行うことに貢献しております。また、院内に無い薬を服用されている場合は、院内にある薬による代替案の提案を含めた処方支援をさせていただいております。

令和5年度実績

薬剤管理指導件数 4,308件
無菌製剤処理件数 6,136件
外来化学療法件数 1,590件

注射調剤業務

患者さんごと注射薬を取り揃え、1回分ごとに注射薬にラベルを貼付してセットを行い、専用のカートで病棟に払い出しております。看護師の業務負担軽減につながり、患者さんへより良い医療を提供するために貢献しております。抗癌剤調製は事前にレジメン登録された注射箋に基づき、安全キャビネットを用いて混合調製を行っております。IVH調製もクリーンベンチを用いて衛生的に調製しております。

年間の注射件数(平成29年度)

  中信松本病院 松本病院
注射処方箋枚数 入院 19440枚 78351枚
外来 2793枚 15731枚
抗癌剤調製件数
(全混合調製件数)
686件 4563件

病棟業務

薬剤管理指導業務

当院薬剤部では、積極的に病棟にて活動をしています。

入院患者さんには、薬剤師が病室にてお薬の効能説明と服用の仕方、使用方法、注意点の説明や副作用が発現していないかどうか調べ、患者さんからの質問、要望にお答えします。例えば、喘息患者さんを対象に吸入薬の機器の取り扱いや吸入法の指導、糖尿病患者さんを対象にインスリンの自己注射の方法の説明や、内服薬の指導を行ったりします。

なお、今年度より病棟薬剤業務実施加算の取得を予定しております。

製剤業務

一般に市販されていない薬を院内で製造(特殊製剤)し、治療に役立てております。

特殊製剤の一例

  • 柿蔕エキス
  • 内服用ルゴール液
  • 眼科用キシロカイン液4%
  • 1%ピオクタニン液

医薬品情報管理業務

医薬品を安全かつ適正に使用するために、国内外の医薬品に関する情報をタイムリーに収集し、利用しやすく加工して、医師・看護師等医療従事者または患者さんに迅速に伝達しております。月に1回、医療従事者に向け、医薬品情報や医薬品安全性情報の提供を行っております。また、プレアボイド活動も積極的に行い、安全安心な薬物療法の提供に努めております。

医薬品管理業務

医薬品を適正に安定供給するため、在庫管理システムを利用して業務を行っております。また、病棟定数配置薬などの院内の薬品管理、使用期限のチェックなどを行っています。

その他

学生実習に対しては実務実習指導薬剤師もおり、ふるさと実習なども受け入れています。

院外処方箋の発行について

当院では、厚生労働省の医薬分業の方針に従い、原則として『院外処方箋』に移行しました。

院外処方箋のメリット

  1. 医師が診療に専念し、薬剤師が調剤することにより、お薬の使用がより安全になります。
  2. 処方せんにより、あなたのお薬の処方内容が明らかになります。
  3. かかりつけ薬局ではあなたのお薬に関する記録を保管しています。お薬に対するアレルギー、副作用等を記録しておくことで、あなたの服用するお薬の安全性を高めることができます。
  4. 他の病院や診療所の処方と同じ薬が重複していたり、危険な飲み合わせがある場合など処方内容に疑問 がある場合、薬剤師が医師に問い合わせ、その結果、処方内容の変更や、処方中止等の処置がとられることもあります。
  5. 飲み忘れ・飲み間違いを防ぐため、1回に飲むお薬を一包にまとめたり、お薬の名前や飲み方、効能・効果 や副作用などの情報を書いたメモをお渡しして説明をしたり、お薬手帳や健康手帳にお薬の情報などの記録もします。特に複数の医療機関や診療科を受診している患者さんは、是非1カ所「かかりつけ薬局」を決めて、処方せんによる調剤を受けられることをお勧めします。

(公益社団法人 日本薬剤師会 ホームページより)

医薬分業の利点

  1. 使用したい医薬品が手元に無くても、患者に必要な医薬品を医師・歯科医師が自由に処方できること。
  2. 処方せんを患者に交付することにより、患者自身が服用している薬について知ることができること。
  3. 「かかりつけ薬局」において薬歴管理を行うことにより、複数診療科受診による重複投薬、相互作用の有無の確認などができ、薬物療法の有効性・安全性が向上すること。
  4. 病院薬剤師の外来調剤業務が軽減することにより、本来病院薬剤師が行うべき入院患者に対する病棟活動が可能となること。
  5. 薬の効果、副作用、用法などについて薬剤師が、処方した医師・歯科医師と連携して、患者に説明(服薬指導)することにより、患者の薬に対する理解が深まり、調剤された薬を用法どおり服用することが期待でき、薬物療法の有効性、安全性が向上すること。

(平成23年度 厚生労働白書より)