診療内容
①一般小児科診療
広くお子さんの内科診療を行っています。初診時の年齢は原則として中学生までです。9人の常勤小児科医と非常勤小児科医がおり、松本広域の小児の基幹病院としての役割をはたしています。在籍している小児科医はそれぞれ専門性を活かしながら診療しており、腎疾患、神経疾患、内分泌・代謝疾患、消化器疾患、循環器疾患、免疫アレルギーの診療に力を入れ、育児相談や予防接種も予約制で行っています。また、非常勤医師による応援を得て発達障がいの外来を行っています。
午前中の一般外来では原則3人の小児科医が診療にあたり、午後の診療は予約のある患者さんのみの診療です。発熱や咳、下痢や嘔吐など感染症が考えられる急性疾患のお子さんにも対応していますが、初診の患者さんは原則として紹介患者さんを対象としています。入院が必要なお子さんは西3階病棟に入院して治療が受けられます。
松本広域圏(松本市、塩尻市、安曇野市、東筑摩郡)の休日・夜間の救急二次輪番制では、当院が半数以上を担当しています。救急医療は単独の施設で十分行えるものではないことから、地域の他の病院、開業小児科・内科医、松本市夜間急病センターと連携して、地域の小児救急体制の充実に寄与しています。
当院小児科および松本広域圏の小児救急医療について
小児科は松本広域二次輪番病院群に加わり、松本市、安曇野市、塩尻市、東筑摩郡の二次救急(おもに入院が必要な患者さんの対応)を行っています。これにより、圏内の救急車対応や入院が必要なお子さんが確実に医療を受けられるように配慮しております。当院の小児科では毎週火、木、金曜日と毎月第2、5土曜日と第1、2、4、5日曜日を担当しています。さらに高度な集中治療が必要な患者さんは信州大学病院や県立こども病院での受入れ体制が整っています。
発熱等の一次対応につきましては、日曜祝祭日の日中は開業の初期救急当番医を、夜間19時から23時は松本市夜間救急センター(松本市城西、365日対応)をご利用ください。急病センターには当院の小児科医も出務しています。
②小児慢性疾患に関する診療
- 長期に入院治療を必要とする慢性疾患(糖尿病、気管支喘息、腎疾患など)のお子さんが、治療を受けながら県立の寿台養護学校の院内学級へ通学することができます。
- 病棟では身体管理に必要な生活指導を行い、療養生活の中で生じる心理的な問題に対しての治療も必要に応じて行うことができます。
- 最近では発達障害や心身症、不登校などで入院しながら養護学校に通うお子さんもが増えており、臨床心理士・児童指導員・病棟保育士・ケースワーカーなども協力して入院生活を支えています。
すくすく教室
肥満のお子さんの生活改善への動機付けを目的とした体験型短期入院プログラムです。夏休み期間中4~10名での2泊3日の入院で肥満とは何か、好ましい生活習慣(運動・食事)を医師や栄養士、理学療法士、看護師とともに、親子で楽しみながら学習・体験していくためのプログラムです。対象は小学校高学年が主です。
③重症心身障がい児(者)に関する診療
- 重症心身障がい児(者)病棟(西1階病棟と西2階病棟)ではショートステイを含め約100人の方が入所し、医療・療育を行っています。また、在宅移行のために支援も行っています。
- 外来においては障がい児(者)の方の定期的な診察や治療を行っており、急性疾患に罹患した時の外来・入院加療も可能です。
- 医療型短期入所(ショートステイ)を、児童福祉法、障害者総合福祉法に規定される「指定短期入所事業」の実施施設として行っています。
- 障害者総合支援法に規定された多機能型通所支援事業所(児童発達、放課後等デイサービス、生活介護)を実施しています。
- 療育にはムーブメントセラピー をとりいれています。
令和5年度診療実績 入院患者数
肺炎・ウイルス肺炎 | 77人 |
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喘息 | 50人 |
ウイルス性腸炎・細菌性腸炎 | 37人 |
インフルエンザ | 31人 |
痙攣 | 25人 |
てんかん | 15人 |
尿路感染症 | 10人 |
紫斑病及びその他出血性病態 | 6人 |
肥満症 | 6人 |
ネフローゼ症候群 | 2人 |
その他の取り組み
- 医師看護師多職種カンファレンス(毎週水曜日)
- 症例検討会(毎月第3水曜日、医師、地域小児科医)
- リハビリテーションカンファレンス(毎月第4金曜日)
- 寿台養護学校との生活指導会議(毎月)
- 近隣自治体の乳幼児健診
- 松本市学校心臓検診
- 信州大学医学部医学科学生実習受け入れ(臨床教授)
語句説明
医療型短期入所(ショートステイ)
在宅の重症心身障がい児(者)とその家庭の福祉の向上を図るための在宅支援制度として、保護者の方が病気やその他の理由で家庭療育が困難な場合に、短期間(通常は7日以内)に限り利用者をお預かりするものです。
ムーブメントセラピー
西1、2病棟では重症心身障がい児(者)の療育として、遊具を使ったムーブメントセラピー、教育・療法を行っています。
利用者さんの状態にあった遊具を選び、安全で心地よい刺激を与えることによって、情緒や運動機能の発達を促す効果があります。