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独立行政法人国立病院機構 まつもと医療センター

コロナ禍でのケアミックス病院

―with コロナからafter コロナへ―

                                           院長 小池祥一郎

 まつもと医療センターは、長野県のほぼ中央に位置し、東は美ヶ原から高ボッチ高原、西は乗鞍、穂高、常念等の北アルプスを一望できます。松本市と塩尻市の中間にあり、信州まつもと空港、塩尻北インター、国道19号、JR村井駅へのアクセスも良好です。

  2018年5月1日の新病院統合により、22の診療科と、総病床数458床(一般床337床、重症心身障がい児(者)100床、結核21床)を有しています。約3年経過した現在、新たに備えたHCU8床、血液内科病棟内の無菌病床20床、地域包括ケア病棟50床も有効に機能しており、緊急入院から退院まで円滑な調整を行っています。

  当院は、治す医療から支える医療を目標にしています。小児から高齢者まで、急性期から慢性期、障がい児(者)まで、幅広くかつ専門的な診療ができる診療科が揃ったケアミックス型病院です。特にセーフティネットとして、重症心身障がい児(者)100床、神経難病50床(うち療養介護病床30床)を有しています

 また、地域診療支援病院として、松本、安曇野、塩尻3市5村の広域医療圏の中で塩尻市から木曽郡楢川村、南松本方面を主に、365日24時間救急患者を受け入れています。特に小児は年間220日の二次輪番を担当しています。診療所や在宅、施設からの急ぎの患者さんの紹介や緊急入院により迅速に対応できるよう、包括医療支援センターが中心となり、専従医師のもと多職種の連携をスムースに行えるように心がけています。

 2019年2月から現在まで、新型コロナウイルス感染症の対応が続いています。当院は結核21床を有していますが、コロナ対応のため、別の医療機関の結核患者も当院に集約することになり、昨年2月から長野県唯一の結核収容施設となっています。さらにコロナウイルス感染症に対応するために、病棟や外来整備を行い、地域医療機関との協力の下、中等症から重症患者の対応を行っています。ケアミックス病院のため、院内感染やクラスターを起こさないために、1年以上にわたり通常より一段強い感染防御策を講じており、いまだに緊張の日々が続いています。

 昨年はコロナのために、検診や一部診療制限を行なわざるを得ず、予定していた病院行事の多くが中止となりました。一方、当院が地域の中で果たすべき役割が鮮明になってきたとも感じています。コロナとの共存はしばらく続きそうですが、将来の地域医療構想を踏まえて地域との連携をさらに強化し、地域の中で求められる医療を十分に提供できるよう、熱意をもった診療、看護を目指します。

 変わりつつあるまつもと医療センターをよろしくお願いします。